旅行日記B

「なあ、俊一。今日暇?」
亮と一緒に学校から家に帰る途中に、俺は亮にそんなことを聞かれた。確かに暇ではあるけど…
「なんで?」
こいつは時々、俺をとんでもない所に連れて行くことがある。この前は、「一緒に買い物に行きたいから。」とか言って連れて行かれたのは、
「今日さ、タカと一緒に買い物行かね?」
買い物か。十分に怪しいな。もう少し探ってみるか。
「何買うの?」
「服とか、靴とか。」
ああ、だめだ。過去にこれで引っかかったことがある。しかもなんか、なんか危ない気がする。これは、俺の理性が引き止めていることに違いない。
「やだ。」
すると、亮はものすごく悲しそうな顔をした。
「なんだよ。今まで友達だと思ってたのに…ひどいよ、そんな子だったなんて…。」
こいつ…こういうときだけ「友達だろ」って言うのは、反則だろ。二宮亮とは、確かに友達だった。家が近いことや同い年ということが理由で、昔からよく遊んでいたのだ。もちろん、小学校は同じ。中学もお互い受験をして同じ私立の中学に入学。今年で三年目になるが、三年とも同じクラス。しかも俺の名前が西田、奴の名前が二宮で、出席番号はいつもこいつの前になる。そのため、座席もこいつの前で、常に俺らは近くにいた。だけど、だんだん鬱陶しくなってきて、こいつもこいつで、なんか危ない奴らと絡みだすため、最近はあまり喋らないようにしているんだけどな…っていうか、できるだけ一緒にいたくないんだけど。でも、俺ってなんか、こういう顔に弱いみたいで…。
「…いいよ。」
これ、旅行中に見た夢を物語にしてみました。これはほんの一部ですが…。